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冠婚葬祭はもちろん、カジュアルな装いにも品を与えてくれるパールのアクセサリーは大人の女性の嗜みとして、1つは持っていたいアクセサリーです。近年ではイミテーションパールにも種類が増え、質もよくなってきたので、普段使いされる方も増えています。

今さら聞けない、パールに関しての種類やマナーなどを詳しくご紹介していきます。種類や特徴、マナーを知れば、時と場合によって使い分けておしゃれを楽しむことができますのでぜひ参考にしてみてください。

月をイメージさせるパール

パールとは、貝の体内で生成される宝石で、生体鉱物(バイオミネラル)と呼ばれます。エジプトでは紀元前3200年頃からすでに知られていたと言われ、クレオパトラが酢に溶かして飲んだという話は有名です。

また、紀元前2206年に中国で最古の記載があり、また日本では日本書紀に真珠の存在が記されています。宝飾品としてだけではなく、砕かれて化粧品や薬の原料などにも使われていました。

その柔らかな色味と質感、美しいだけではなく儚さも持った上品な輝きで、ダイヤモンドは『宝石の王様=太陽』と考えられていたのに対し、パールは『宝石の女王(王妃)=月』とされていました。「月のしずく」「人魚の涙」と呼ばれて古代から人々を魅了してきました。

パールはどうやってできるの?

パールは、貝の体内にある外套膜があり、自分の体を守るために貝殻を表面に作っています。貝の中に異物が入り込むと、外套膜の自己防衛機能によって、その異物を分泌物で包み込みます。

これが真珠の元になり、貝殻を作る成分と同じカルシウムとタンパク質が交互に層を作って真珠になっていきます。貝の中で10ヶ月~2年ほど育成されて、美しい真珠が出来上がります。

パールの種類

パールは大きく2種類に分けられます。

本真珠→天然パール・養殖パール・淡水パールなど

人工パール(イミテーションパール)→プラスチックパール・貝パール・ガラスパールなど

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海の宝石・貝によって作り出されるパール

本物の貝によって作り出されるパールは、海や湖の中で、貝がじっくりと育んできた宝石です。母貝の種類や、育った環境により、様々な色、形になって個性が出ます。

本真珠

本真珠は、主に海(海水)で育つ貝(主にアコヤ貝)の中で作られる真珠のことを言います。重厚感があり、真珠層のマットな輝きに、ガラスコートをしたような透明感と、内側から放つ美しい輝きがあるのが特徴です。

質の良い本真珠は親から子へ受け継げて、長く使えることもメリットであると言えます。

淡水パール

淡水パールは、川や湖など淡水で育つ貝からとれるパールです。養殖がほとんどで、その際核を挿入しないことが多いため、完全な球体にはならず、しずく型・楕円・お饅頭のような形など、個性豊かに出来上がります。白、ピンク、オレンジ、紫など色の種類も豊富です。海産のパールに比べて光沢がややマットです。

バロックパール

バロックパールは、ポルトガル語で「ゆがんだパール」という意味で、自然の中での偶然の結果によってできた、個性的な形が特徴のパールです。

丸い核に異物が付着し、いびつな形に変化します。それを中心にして形成されるのでできると言われています。その個性的な形から、カジュアルスタイルとの相性もいいパールです。

人工パール

人工パールは、貝が作り出すパールとは違う、いわゆる模造真珠です。核の周りに真珠層を人工的に吹き付けて作られています。昔に比べ、核の材質に工夫がされるようになったため、現在では一見、見分けのつかないものも増えています。

人工パールのよさとしては、汗などに強いため普段使いしやすいことと、本真珠にはないカラーバリエーションが楽しめることがあげられます。

プラスチックパール

核にプラスチックの玉を使い、真珠箔を塗布した人工パールです。とても軽く、光沢が少ないため本真珠との違いは明白ですが、その軽さから、ヘアアクセサリーやコサージュなどに使われます。汗や傷には強いため、普段使いや、お子様用のアクセサリーなどにも使われています。

ガラスパール

核にガラスの玉を使い、真珠箔を塗布した人工パールです。適度な重さがあり、表面もキメ細かく、プラスチックパールより美しい輝きと微妙な色合いがあって、高級感が感じられます。

貝パール

養殖真珠に用いる貝から作った球体を核として作られています。より本物を追求した人工真珠で、本真珠と比べても重さはほとんど変わらないため、最も本真珠と見分けがつけにくい人工パールです。もしも冠婚葬祭に人工パールを使う場合、貝パールが一番オススメです。

コットンパール

綿を圧縮し丸く固めた核に、パール塗料を塗布したイミテーションパールです。戦後から日本国内で製造されていました。ぬくもりと、でこぼことした独特な風合いが魅力で、最近また再び脚光を浴びています。

プラスチックパールと比べてもとても軽いので、他のパールではできない様々なデザインに使われ、普段使いやカジュアルファッションとも相性が良いパールです。

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どのパールをいつするのが正しいマナー?シーン別・マナー

それぞれのパールの特徴を生かして、シーンに合わせてパールを使いこなしましょう。きちんとマナーを知ったうえで、その場に合ったパールアクセサリーを身につけてください。

結婚式

結婚式では、花嫁さんが主役ですので、ギラギラとした光り物やゴールドのアクセサリーより、シルバーやパールといった、品のあるアクセサリーが好まれます。ホワイトの他、ピンク・ゴールドなどのカラーパールや、バロックと呼ばれる変形パールでもマナー違反にはなりません。

ブラックパールは、ダメではないのですが、喪のイメージを感じる方や、縁起が悪いと感じる方もいるのでつけない方がいいでしょう。祝いの席は重ね付けもオススメで、2連や3連などは「幸せが重なる」という意味から縁起も良いと言われており、華やかな雰囲気も演出できます。

葬儀

真珠は涙にたとえられることから、悲しみの席や葬儀でも身につけることが許されているアクセサリーです。着用する場合、色はホワイト、ブラック、グレーのいずれかで、ネックレスは長さ40cm前後の1連が基本です。また、パールの粒はあまり大きくないもので、7~8mmの定番サイズを選ぶといいでしょう。

重ね付けは「不幸の繰り返し」を意味し、ロングネックレスは「悲しみが長引く」とされ、好まれません。耳元はできるだけ飾らず、もしつけるのであればシンプルな一粒タイプを選び、耳元で揺れるドロップタイプはNGです。バロックパールはカジュアルな印象を与えるので避けましょう。

普段使い

普段使いのパールアクセサリーに、マナーはありません。パールの上品な雰囲気が、服装のカジュアルさと融合することで、ラフすぎない大人っぽさを引き出すため、カジュアルスタイルもランクアップして見せてくれますので、大人女子にピッタリのコーディネートです。

本真珠は高価なうえ汗や傷に弱く、デリケートですが、逆にフェイクパールは手が届きやすい価格帯のアイテムが多く、傷にも強いので、普段使いにオススメのアクセサリーといえるでしょう。また、コットンパールはナチュラルコーデとの相性もよいので、様々なジャンルの服に合わせることができます。

まとめ

「パールアクセサリー」の種類と、着用時のマナーにいついてご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。今は様々なパールアクセサリーが売られていますので、その場その場に合わせてパールを楽しんでください。

パールアクセサリーは、定番のネックレスやピアス・イヤリングをひとつ持っていると、いざという時に様々なシーンで使えて便利です。

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